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経済学部講義「国際関係概論」にて、元駐ルーマニア特命全権大使の東良信氏が登壇

 長崎大学経済学部では、新入生向けにグローバル人材の育成を目的とした「国際関係概論」を開講しています。グローバル社会で活躍するためには何が必要なのか、政府機関、民間企業、NGOなど、国際舞台の第一線で活躍する講師陣が参加し、全15回にわたり実施されます。

 7月5日(金)には、元駐ルーマニア特命全権大使の東良信氏が登壇し、「大きく変わる国際社会における日本外交:外交の現場から」と題して講義を行いました。
 東氏はまず、国内社会とは異なる国際関係の特徴を説明しました。具体的には、中央政府のない状態で社会や秩序を維持しなければならないこと、外交は多国間外交と二国間外交に分けられること、そして外交や外交官の歴史や役割について解説しました。そのうえで、ご自身の経験を踏まえて、外交の現場について論じました。ルーマニアとの外交を考える上ではルーマニアに関する民族?文化?経済?政治といった多様な背景を踏まえることの重要性に触れた後、二国間外交を担う大使館がどのようなことを行っているのかについて、駐ルーマニア大使としての経験を写真やエピソードを交えて紹介しました。講義の核心は、統一された基準やルールが必ずしもない国際社会では、相手への理解と敬意が不可欠だという点でした。外交の第一線で活躍された東氏の講義は、学生にとって国際関係の重要な一側面を理解する貴重な機会となりました。

講義を行う東良信氏

以下は受講した各学生の感想です。

「東先生のルーマニア大使館での活動の話の中で、「ルーマニア軍隊は7万人」という数字を聞いて、私は多いと感じたが、東先生は少ないとおっしゃっていて、自分がどれだけ基準を知らないのかと思い知らされた。普段軍隊など見ることもなければ気にすることもないため、ただ世界平和だけを望むことは浅はかであり単純すぎると感じた。まず各国の現状などを知り、真の平和とは、国防とは何かという課題について考えるべきであると思った。」

「外交官は国の代表であるため、内閣が任命し天皇陛下が認証することを知った。そして外交官には外交特権があり、不逮捕特権、免税特権、身体検査の免除がある。外交官の役割は他国との政治的な交渉のみに深くかかわっていくものと考えていたが、日本文化を赴任先の国に広めるという役割もあり、これが相互理解を深める上で重要ということ、そして理解を得ることは、何が直接の要因になるか分かりにくいため、あらゆる努力を行っていることに驚いた。」

講義後に質問する学生の様子

(本講義は、経済学部後援会による支援を受けて開講しています。)